アート・オブ・トイ・ピアノ/マーガレット・レン・タンの世界


 先日アップリンクのTさんから「アート・オブ・トイ・ピアノ/マーガレット・レン・タンの世界」のサンプルDVDが届く。


 トイ・ピアノを演奏するシンガポールの女性のドキュメンタリーだけど、90分中トイ・ピアノに関することは最後の30分だけ。

 残りはジョージ・クラム、ジョン・ケイジ、コーネリアス・カーデュー等、現代音楽家の、主にピアノの内部演奏の作品を弾いている場面が多いが、これがめっぽう面白い。

 不勉強なためマーガレット・レン・タンの名前は知らなかったがジョン・ケイジが自分の作品の名前に彼女の名を冠するほど著名なピアニストらしい。

 迷いもなくきっぱりとした演奏はとても強力で、DVDが10年の歳月をかけて録られたため収録時間の関係かどの曲も中途で終わっているのがとても残念。

 若手の作曲家の作品を演奏するシーンもあり、これも大変面白い。

 ダイジェスト風の編集になっていることや学生への講義の部分もあるから、現代ピアノ曲の入門編としてみてもいいかもしれない。

 しかし、女性ピアニストはなぜ一切の迷いもない強力としか言いようのないピアノを弾く人が多いのだろう。

 下の画像はそういう意味で代表的な女性ピアニスト、イレーネ・シュバイッツァーとマリリン・クリスペルの、ピアノ・バトル(古くさい言い方だけどまさにバトルのようなすごい演奏)を聴くことが出来るバリー・ガイ・ロンドン・ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラのダブル・トラブル。マーガレット・レン・タンとイレーネは似たところがあるような気がしてきた。演奏のスタイルじゃなくて取り組む姿勢みたいなモノが。

 このDVD中、うれしいことがもうひとつあった。
 ジョアン・ラ・バーバラが出演していることだ。動いてるジョアン・ラ・バーバラは初めて見たぞ。ミーハーみたいだがかなりうれしい。

 しかも歌っているのはジョン・ケイジのThe wonderful widow of eighteen springs。

 イーノのオブスキュア・シリーズでまだ再発されていないヤン・スティール、カーラ・ブレイ、ロバート・ワイアットのレコードでワイアットが歌っている曲だ。

 ワイアットの歌唱の中でも最高の歌を聴かせているこのレコードが、何故未だ再発されていないのかよくわからない。
 ほかのオブスキュアのシリーズは再発されているのにね。

 このとても美しい曲はピアノを叩いて伴奏するモノだけど、ふたを閉めてしかも叩く位置まで指定されているということははじめてこのDVDで知った。譜面はどうなっているのだろう。

 最後の30分のトイ・ピアノの演奏も可憐なコンロン・ナンカロウみたいな感じでとても面白かった。

 知らなかった面白い人を知るのは楽しい。Tさん、有り難う。

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