もういろんな処で書かれているので御存知の方も多いと思うけど、クリスマス・イヴにデレク・ベイリーさんが亡くなられました。
初めてデレクを見たのは初来日時、学生時代に余りデレク・ベイリーのことなんかあまりよく知らないのに、当時つき合っていた彼女と一緒に西部講堂に見に行った。思えばフリー・インプロのライヴを見るのはそれが初めてだったかもしれない。１１月の西部講堂はとても寒かった。コンクリートに直に座って寒さがお尻から来たのを覚えている。
その後２回、京都でデレクさんのライヴの主催をした。会場はどちらも磔磔。ある時は１１月の観光シーズンで３ヶ月前でもホテルがとれずラヴ・ホテルに泊めてしまいました。デレクさんは何をする場所か聞くと、じゃ今度は妻と来よう、といってくれた。もちろん冗談だけど。部屋の中のカラオケで歌ってたらしい。
ドタキャンやギャラの高さとかいろいろ言われることも多かったけど、実際に接した人間からすると紳士的な穏やかな人でした。
デレクさんに関しては奏法や演奏に対する姿勢が語られることが多かったけど、計３回、生で見て一番覚えているのは、その音の綺麗さと大きさ。なんであんなに綺麗ででかい音がアコギででるのか信じられないくらいでした。
近年、再来日の話がいくつも出ては、しょうもない事情で潰れていったのは大変残念。若い人達で聴きたいと言う人は多かったし、やっぱり一回は生で聴いて欲しかった。