YCAMでorchestrasその1

 一昨日、昨日と山口YCAMでの大友さんENSEMBLES展「orchestras」へ。


 一昨日は内覧会の招待を受けたので完成したてのorchestrasを見ることが出来た。
 なんでもランスルー出来たのは内覧会の時が初めてというぎりぎりの作業だったらしく、入り口で説明を受けているときも作業中の音がまだ聞こえてました。

 簡単に感想を言うと大友さんが最近よく言うしONJOの音楽にも反映してる「中心がいくつもある、どこにでも中心がある」音楽が音だけでなく時間軸(記憶)にまで波及したものだな、と思った。

 orchestrasは美術家の高嶺さんとの共同制作。高嶺さんとの打ち合わせで大友さんが裸にされた感じがしたと言っていたけど、その中でも話されたであろう「中心がいくつもある」ということを記憶にまで波及させたのは高嶺さんの力だろうか?

 一階の天井につるされた廃校になった小学校の廃材や楽器、家具が制御された鏡に反射する光で時折浮かび上がる中で鳴り響く音は完成度がすごく高い。

 ここで種明かしをしていいのかどうか分からないけど(種明かしに負けない完成度だから良いでしょう)40分ワンクールでいくつかのパートに分かれている音は、これも制御されていて同じ瞬間がないパートもあるらしい。
 
 トロンボーンやドラムのパートが(いわゆるプロのミュージシャンがやっているから、という理由だけではない)完成度が高いのは分かるけど、何人もの声や鼻唄がコラージュされたパートも恐ろしく完成度が高い。

 あんまり完成度が高いからCDにしてでも聴きたいと思ったけど70個以上のスピーカーからの音も鏡の光に浮き出る廃材や家具の記憶もここだけのもの。

 (伊藤)ガビンさんがmixiで書いてたけどまるっきり新しい再生装置なのだった。ガビンさん、20m四方のレコード・プレイヤーの中にいるみたいとも書いているけど、あの天井の廃材や家具とあいまった音はいったいなんなんだろうね。

 地下は大友さんが「学園祭みたいにひどく(ひどいって言ったってあくまでほめ言葉の”ひどい”ね)って楽しいよ」と言っていたとおり。

 迷路みたいな通路にこれまた廃校になった小学校からの楽器や絵が至るところにある。時々アトラクションみたいに楽しい仕掛けもあって。

 迷路や地下にうきうきしてた頃の自分の中の子供心がよみがえる。

 一階のど〜んと提出された記憶と違って地下は至る所でピンポイントで記憶をよみがえさせられる。捨てられていたアコーディオンやオルガン(実際に弾ける)や楽譜やレコードジャケット、小学生が書いた作曲家の似顔絵、狭い通路を歩く度に出てくるものにわくわくする。大体狭い迷路を歩くだけでもわくわくするのに。

 いたる所にある中心の提出の仕方が一階と地下では全く違う。実はこの二重構造が一番おもしろかったのだけどどこがどうおもしろいのかまだ自分の中で未整理だ。すっごいおもしろいんだよな。なぜなんだろうなー。

 YCAMの館長さん(そこそこお年を召した方)が一番楽しそうだったのが印象に残ってます。

 一階ではスーツ姿にもかかわらずすぐべたーっと床に寝て見てたし、地下の迷路では本当に楽しそうににこにこしながら歩いてらした。

 あんな大きい施設の5周年記念行事を美術家でもない一介の音楽家である大友さんに任せて、しかもあれだけのものを作り出せるYCAMの底力の源を見た思いでした。
 
 続きます。

 

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