去年一番印象に残った文章。

去年のスタジオ・ボイス7月号で川本ケンという人(申し訳ないけどどういう人は知りません)が書いている文章。
これが多分去年読んだあらゆる文章で一番納得のいった文章だ。
時期はもう遅いけど今年の指標の言葉みたいな感じで勝手に紹介させてもらうことにします。


 一瞥して要約しうる物語よりも、言語化することが困難な体験を我々にもたらす映画こそをみたくはないか。本来それは、受け手も区別することなく感得されるべきものなのではないか。好みの問題はその後に発生する。
 もちろん、洗練を特権化し「面白さがわかる」ことをその特権に接するための許可証にすることほどつまらないことはないだろう。(中略)
 とにかく、いつになったら「わかる」とか「わからない」とかいうことが問題ではなくなるのだろうか。映画的教養もどうでもいいし、バカ映画かインテリ/アート映画かなどという区分もどうでもいい。重要なのは、映画を見るという体験に対してどれだけ過敏になれるかと言うことに過ぎない。

 これは映画について書かれた文章ですけど「映画」を「音楽」にその他のモノに代えても通じますよね。自分がどういう動機の元にやっているか、わからせてくれたような気がしました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。