This Heat リマスター、及びリマスター再発について

This Heatの1stがリマスタリングされて再発された。最初はエンジニアが誰か気になった。ReRでクリスが出すのだから、ボブ・ドレイクだったらイヤだなと思っていたら、なんとチャールズ・ブレンとチャールズ・ヘイワードの2人がやっている。二人の不仲を知っているだけに!!!。やはりギャレス・ウィリアムスの死が影響しているのだろうか?これなら予告されているThis Heat BOXのリリースも信用できる。


さてそのリマスター。This Heatの1stは広く知られているようにモノラルorステレオ・カセット録音、2or24トラック・スタジオ録音、といろんな音源のテープが編集されている。1曲の中でも突然モノ・カセットから24トラックの音に変わったりしている。

問題はその音質の差をどうしているか。
最初リマスター再発のニュースを聞いたとき、その音質の差を無くす方向でリマスターするのだろうな、と何となく思っていた。

実際聴いてみると、その差異を無くすどころかはっきり音質の差を強調してある。特にドラムの音なんか、まるで同じアルバムの中の音と思えないくらい同じ曲中でも変わっている。
良いか悪いかではなく、メンバーがリマスターをやっている以上、これがThis Heatの意志なのだろう。

リマスターは音を粒だたせはっきり聞き易くする場合が多い。そのためいろんなモノを切り落としたり、付け加えたりするのだけど、そうすると録音当時の空気感が無くなってしまう。

これは情緒的な言い方ではなく、実際、当時の録音機材独特の音の色合いやスタジオ内の空気に響く音が損なわれてしまう事でもある、と思う。

今までいろんなリマスター盤を聴いてみて、感心したのはCANのリマスター・シリーズだけだった。これは今までのCD化では聴こえなくなっていた音を復活させていたから。
futuer daysがなぜ最高傑作と言われていたかは今までのCDしか聴いていなかった人達には決してわからなかったと思う。

This Heatの1stは、だから、制作の最初から差異を強調しようとしていたのかもしれない、と思った。しかしその差異がさらにはっきりしてもカットアップ・コラージュのようには聞こえず、ある統一感があるのはなぜだろう。

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