次の日、前日3時まで打ち上げしていたのに6時起き8時出発で松江へ。
古い友人がいるので行ってきた。まるで音楽と関係のない旅は久しぶり。
松江城や日本海、そして中海が一望できる山に連れてってくれた。
松江城は作り替えられていないお城の中もいいけど回りの環境がとても気持ちいい。小さい神社やお社がいくつもあり、ちょっとした森で囲まれている。でも高低差も少なくゆっくり歩いて散策できる。
よい天気で空気も澄み切っていた。日本海の何ともいえない群青色みたいな海の色に感激。浅瀬は薄いブルーだった。波頭の白がよく合う。
山から見る中海の風景が絶景だった。実は京都は観光地といわれながらも絶景といえるところはない。
大文字山に登ってももう高いマンションだらけになった京都市内が見渡せるだけだし。
枕木山というらしいけどそこからの風景を目に焼き付けた。普段写真なんか撮らないけどちょっと写真に撮っておけばよかったかな、と思ったくらいの景色。
松江は背の高い建物が少なくて空の広い街だった。街は空が広い方がいい。
個人的に一番好きな京都の風景は、夕方に堀川通りくらいから松原通りを西に向かって見たときの景色。
まだ背の低い建物が多い通りだし、松原通りが一直線にずっと西に向かっているから夕日がずっと西に落ちるところが見られる。清水寺や三十三間堂より京都っぽい景色だと思ってる。
川も海も湖もある、空も広い、そんなところだった。水があるからかもしれないけど空気も澄んでた。
生まれたところが山ともいえないような中途半端な山に囲まれた、それこそ盆地ともいえない窪みみたいな集落だったから、そういう土地で生まれ育つことが羨ましい。
子供の時はその山がいつも迫ってくるようでとてもいやだった。それこそよその家の昨日の晩ご飯が何だったかみんな知ってるような、そのくせ陰では悪口を言いあってる、そんな小さい町の小さい社会がその山に形を変えて迫ってくるようでいやだった。
とにかくなるべく早くこの町を出たい、と思っていたのはあの山のせいだと思う。
いまでもたまに帰ってその山を見ると真綿で得体の知れないようなものに締め付けられるような気がする。
もし松江のように空の広い場所で生まれていたらもしかしたら全然別のことをしていたかもしれないな。と思った。

