風営法の改正案が17日参院本会議で可決しました。素直に喜んでいいのか正直微妙な感じ。
「ダンス」の文言が風俗営業法から削除され、深夜のクラブの営業もできるようになったけど、深夜の飲食をともなう「遊興」については、許可が必要、さらに立地条件の規制が強化されて現在何らの問題もないクラブについてまで規制が及ぶ可能性もでてきたようです。
今後施行にあたって、制令や条例、運営基準などが制定されるということなのでこれで終わりということではないですね。
長いですがLet’s dance 署名推進委員会とLet’s DANCE 法律家の会の声明を二つ転載します。
特に法律家の会の法の声明はどういうところが問題か明記されてます。
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Let’s dance 署名推進委員会
【皆様の声が法律を動かしました!〜風営法改正成立と今後の取組みについて〜】
ダンス営業を規制する風営法の改正案が昨日6月17日、参議院本会議で可決、成立しました。
「ダンス営業を規制するのはおかしい」という声からスタートした風営法改正運動は16万人もの方々の請願署名として国会に提出され、その声を受け70人を超える超党派の国会議員によるダンス文化推進議連発足へと繋がり、その後も関係者の方々の間断無い働き掛けにより、皆さんの真摯な声が着実に国会を動かし、遂に古い法律を変える事が出来ました。
署名スタートより三年間、粘り強く折衝を重ねて下さったダンス議連の議員の皆様、常に本筋のお話を守って下さった規制改革会議の委員の方々、膨大な労力と時間を重ねて命を削るが如くこの問題に心血を注いで頂いている法律家の方々、日本ダンススポーツ連盟を始め長年この問題に心血を注がれた社交ダンス界の方々、幾度も幾度も粘り強く協議を重ねて下さったサルサ界、ラテンダンス界の方々、そして業界の取りまとめやイメージアップに奔走して頂いた方々、業界団体作りに奔走して下さった方々、この問題をフェアに扱って頂き心のこもった報道をして頂いたメディアの方々、偏見で無くちゃんと問題を見据えて事業者とも対話して下さった地域関係者の皆様、そしてこの問題に多くのご声援とご支援を下さった方々、16万筆もの署名を書いて下さった方、集めて下さった方、本当に途方も無いくらい多くの方々のご尽力と膨大な時間で、やっとここまで辿り着けた事に、改めて心よりお礼申し上げます。
5月末の衆議院、そして一昨日の参議院での法改正審議に当たっても、多くの問題点を孕んだ改正案に対して、法律家の方々、学者の方々が時間ギリギリまで働き掛けをして下さり、ほぼ全党の議員の方々が真摯に耳を傾けて下さり、国会審議の場で、改正案で懸念される「遊興」の定義の明確化の問題や立地規制の問題など、様々な重要な問題点を徹底的に問いただして頂き、今後の課題にも数多く言及され、更には附帯決議までもつけて下さるなど、今後の法改正の方向に丁寧な議論を求める、実りの多い歴史的な審議だったと思います。
但し、そのような非常に重要な問題点について警察庁の答弁では、「この後の解釈運用基準で明確にしたい」との繰り返しで、今後に大きな懸念を残す問題点は明確化される事無く、言わば先送りされました。
つまり現時点ではまだ不完全な「改正風営法」を、今後施行されるまでのこの1年の間に、策定される政令や解釈運用基準、都道府県条例という具体的なルールづくりの中で、今回の国会審議をしっかり踏まえた、そしてこれも大臣の答弁にあったように事業者、地域、関係者の声をしっかり聞いて反映したものにする必要があります。そういう意味では、この「改正風営法」が、本当に多くの国民の幸福に資する物になるのか、本来規制すべきでないものまでも規制してしまう不合理な悪法に逆戻りしてしまうかの、実はまだココからがスタートラインだったりします。
改正風営法の政令の策定に当たって「パブリックコメント」の実施が予定されています。政令や解釈運用基準に対して引き続きしっかり意見を伝える事が出来ます。また、ダンス文化議連の議員の方々も引き続き政令等についてもリードして下さります。今後も議連の先生方への働き掛け、そして条例を策定する都道府県警、都道府県議会への働き掛け、パブリックコメントなどでしっかりと声を上げ続け、しっかりと要所へ届ける事が、本当に重要です。
国会審議で多くの議員の先生方が言及されたNOON裁判のように、法律の歪みによって生まれてしまった冤罪のような事が二度と起きないよう、今の時代の実情に合った法改正が最後まで実現するように、今後も前向きに取り組んで参りたいと思います。
(メディア掲載先リンクは省略しました)
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Let’s DANCE 法律家の会
ダンス規制法改正案の可決にあたっての声明
真の改正に向けて、さらにご支援をお願いいたします
2015年6月17日 Let’s DANCE 署名推進委員会 Let’s DANCE 法律家の会
ダンス規制法(風営法)改正案が6月17日、参議院本会議で可決・成立しました。「ダンス」に着目した規制は撤廃され、長く関係者の悲願であったダンスホールの規制緩和も実現しました。「ダンス営業を規制するのはおかしい」という声をあげ請願署名運動がスタートしたのが、2012年5月29日でした。以来3年間、変わらぬご支援をいただいた、呼びかけ13氏、賛同208氏をはじめ、ダンス文化議員連盟の国会議員のみなさん、署名や運動にご協力いただいた16万人のみなさんに心から感謝申し上げます。
一方で、衆参両院における改正案の審議を通じ、「遊興」という新たな枠組みでの規制強化の懸念が、いよいよ浮き彫りになりました。営業所の立地についても、実際には繁華街に限定され、その他の地域では許可すら取得できないおそれも生じています。今後、施行までに策定される政令や解釈運用基準、都道府県条例という具体的なルールづくりにおいて、事業者や利用者、地域住民の声を生かすことが求められます。
■新たな枠組み「遊興」規制は対象を限定し明確化を
今回の改正の焦点は、従来「ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業」(風営法2条1項3号)とされていたクラブ営業を、「特定遊興飲食店営業」という枠組みで深夜営業を可能にするというものです。
しかし「遊興」とは何かをめぐり審議は白熱しました。国家公安委員長や警察庁の答弁者は、「遊興」とは、「営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせる」行為として、具体的には「不特定多数の客に歌、ダンス、ショウ、演芸、映画その他の興行等を見せる行為、生バンドの演奏等を客に聴かせる行為、のど自慢大会等客の参加する遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為」などの答弁に終始しました。
「善良の風俗を害するおそれ」のあるダンスや生バンド演奏、演芸、映画とは何なのか。どんな基準で、だれが判断するのか。許可制で違反すれば刑事罰まで新設されたもとで、違反とされる行為の内容を明確に規定しておかなけれならないという原則(罪刑法定主義)から逸脱した答弁に、各委員から厳しい批判が相次いだのは当然です。当局者は、「解釈運用基準で明確にしたい」と繰り返しました。
個々の具体的な事例について参議院では一定の判断を示しました。なかでも「野外イベント」について、規制の対象ともとられかねない答弁を行ったことは重大な問題です。
各委員は、規制対象の明確化と「善良の風俗を害するおそれ」のない営業については対象とせず、限定的に解釈するよう求めました。同時に政令や解釈運用基準、都道府県条例の策定にあたって、事業者や関係者の意見を十分に聞くよう迫りました。当局者は、「広く意見を聞いて検討したい」と答えました。
■不当なNOON事件を繰り返さない
「ダンス営業」規制という不明確で恣意的な摘発が、大阪地裁、同高裁で断罪された大阪・クラブNOON事件。衆参両院で各委員は判決内容を引用しながら、「遊興という不明確なルールでは、第2、第3のNOON事件が起こりかねない」と指摘しました。政府側の答弁者が、「公序良俗に配慮しながら極力自由にすることが新しい文化を広げることになる」と強調したこととあわせ、表現の自由、営業の自由を守る立場での運用こそ、国民のコンセンサスであることを鮮明にしています。
■警察庁、都道府県公安委員会・同議会、地域に向けた運動を
警察庁は、法改正後の施行までに策定される政令や規則、解釈運用基準について、営業者や地域住民の声を反映するよう約束しました。あわせて立地要件などは、都道府県公安委員会、同議会での検討課題となります。ルールの具体化にあたり、実情にそくした声を届けることは急務です。
また改正法では、事業者、地域住民、警察などでつくる「風俗環境保全協議会」の設置が義務づけられています。いまこそ、「安心・安全で活気あるまちづくり」「ダンスや音楽文化が花開くシーンの発展」などを考え合い、協働する絶好のチャンスです。
法改正は、必ずしも私たちが望んだ形にはなりませんでした。しかし、声をあげ国民的な議論がすすみ、政治は動きました。また、たくさんの仲間が広がったことは、大きな財産です。これからも、全力でがんばります。ご支援を心からお願いいたします。

