音楽が降りてくる

先日、先々日といしいしんじさんと湯浅学さん(一昨日はvoidの樋口さんも一緒)のイベントに行ってきた。
その時に購入した湯浅さんの新刊、「音楽が降りてくる」


イベントのアナログバカ一代も(蓄音機+SP盤でのカザルス、G線上のアリアが忘れられない)ガケ書房でのトークショーもおもしろくいろいろ考えさせられて、とても有意義な時間だった。

 湯浅さんの名前を初めて見たのは何時だろう?ほぼ同じ年、だからそう古いことでもないはずなのに印象としては音楽を意識的に聴き始めた中学生の頃から知ってるような気がしてる。

 なぜなんだろうな?おそらく湯浅さんの書いた文章が深く頭に残っているからだろう。

 音楽評論、というか音楽に関する文章はその音楽を深く説明、解析するような文章と、その音楽を通じて、なんというか背後にある、いや背後じゃないな、音楽がある、音がある世界、その世界がもっと広がり深まり見渡せる文章があると思う。どちらも(その内容によるのは当然だが)好きだ。でも自分が音楽に求めるものがなんなのか考えると後者の方がより印象に残るのは当然なのかもしれないな、と思う。

 なにより湯浅さんの文章が好きだ。単なる評論の文じゃない。評論であるのに物語りを読んでるようにわくわくする。それはそうだ。全ての作られた音楽にはいろんな物語が付随する。それを深くとらえて流れるような文章で書いてあるので一度読めば止まらないし、印象も深い。

その物語とは単なるエピソードのことではない。ベースの音ひとつ、ギターの音一つ、声ひとつ、ひとつひとつの音に潜む壮大な物語のことだ。それは「神」でも「伝説」でもない。全てのあらゆるところに通じる秘密の扉を開ける鍵みたいなものだ。

それを示してくれるから湯浅さんの文章が好きなのだ。

 この本、もし書店で手に取るようなことがあれば後書きを最初に読んでください。それに何かを感じる人は迷うことなく購入してみてください。

 

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