本人のインタビューによるとこれは「半径500mの音楽」ということらしい。
羅針盤とは決定的に違うところはそこだと思う。
宅録ではないけど、ほぼそのまんまであまり凝ることなく録音されたような音。
しかしイコライジングとかバランスとか精緻にコントロールされてる。
何よりヴォーカルにリヴァーブなどの空間系のエフェクトがほとんど無い。あっても極々薄いかコーラスにかけているくらい。曲によってはダブルトラック(以上)にはなっているけど、しかしこれも絶妙。
まるで部屋の中で目の前で歌われているかのような感じ。
でも音の骨格が強固なんでとんでもなく強力な説得力がある。
半径500mで作りながらもその半径500mを外から見る客観的な目が強固に音を構築してるからこその説得力。
一番すごいと思ったのが3曲目のplayground。
音程だって不安定だしアコギの音もまるでデモっぽい、(でもいい音なんだよなー)それだけなら本当に宅録っぽくてそれこそ自分の身の回りだけの音だけど、千住くんのドラムと時折からむエレキが強力な骨格を作り出してる。
すごく不思議な音楽。大きいのか小さいのかわからない、いや、同時に大きくも小さくもあるのか。
いや、本当に不思議。
唄のある音楽でこんなのは初めて聴いたかもしれない。
まるっきり思い違いの感想かもしれないけどデレク・ベイリーの音の強力さと似たような感じを受けたんだけど。
しかし本人の撮った写真いいですね。今度、ジャケットに使わせてもらおうかな。
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