
え〜と、最初に。とにかくすごい面白い。サントラ盤ということだけど多分映画で流れる音とは全く違うだろうと思うので(それに事情は大友さんのブログで書かれているので割愛)ひとつのCD作品としてとてもおもしろい。
最近の大友さんの録音作品には音の距離感、それも音像的な距離感ではなくて音の印象の距離感、といってもいいようなことを強く意識してると思ってる。
ONJOのファースト、lost in the rainの最初の部分での、簫とサイン・ウェイヴと弓で擦られるヴァイブラフォンの微妙に距離感の喪失した音から、ホーンが入って徐々に音の立体感が表れていく瞬間の美しさや、カヒミ・カリイさんの新作での、外山さんの水の音などとくにそういう音の距離感を意識したと思っていた。
たとえばカヒミさんの新作CDでの水の音は、あれは紛れもなく水の音だけど、実際にあのように耳音で聞こえる水の音は存在しない。良く知っている音が経験されたことのない距離で聞こえることとギターの音、そして人の声で全く今まで体験したことのない音になったと思った。
大友さんの今までの諸作は、どれも明確なある方向性があったとおもう。
でもこの「幽閉者」は今までの大友さんのやってきたいろんな要素がそのまま提示されているように、最初は思った。
サンプリングやグランド・ゼロでの轟音、ノイズ、きれいなメロディーでのギター、距離感のない「物音」にサイン・ウェイヴ、それらがなんの統一感もなくそのまま提示されているような。
でもその実、聴いてみるととても自然になじめるし、かなりノイジーではあるのに普通にentertainmentできる。(その面白さはinterestingというものではない、ということ)
よく聴けば、音の(印象的な)距離感のコントロールが、爆音やノイズの中で実に巧妙に為されている。
それがよくわかるのがラストの曲。PANTAの声、人の声、というこれ以上ない具体的な音のなんと微妙な使い方。
いろんなものが同時に存在し、なおかつそれが微妙にコントロールされている。
大友さん、次の段階に進んだな、と思った。
もっと聴きこめばいろんな発見がありそうだ。
こうなると次のONJOが楽しみになる。
と同時に3月のレコーディング、どうやる?と考える。

