ペット・サウンズが5.1チャンネル?

 ビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」が、何回目かのアニバーサリー・リリースで5.1チャンネルで再発されるらしい。
 
 5.1チャンネルって、ペット・サウンズの素晴らしさはあのモノラル録音にあるのに、どうすんの?


 89年にCDで発売された当時に解説で山下達郎がブライアン・ウィルソンのサウンドの秘密をうまくまとめている。

(1)ルートに向かうことを執拗に避け続けるベース
(2)それまでにテンションを多用したコーラス・アレンジはさらに複雑化し対位的要素も増大する(註:ビーチ・ボーイズ・トゥデイ以前以後の話)
(3)テープの編集による曲の制作
(4)大編成志向(コンポ・ミュージックからの脱却)
(5)パーカッションの多様
(6)モノラル・レコーディング
(7)分厚いエコー

 ブライアン・ウィルソンがモノラル・レコーディングを選んだのは父親の折檻による聴覚「障害」によるもの、という説があるみたいだけどそうじゃないと思う。

 多分両耳が聞こえていたとしてもモノラルを選んでいたと思う。

 モノラルの音像の美しさ、各楽器の音が解け合う美しさを、ステレオ録音により各楽器の音像がはっきり聞こえることよりも選んだのだと思う。

 正規で完成した「スマイル」も、ブライアン・ウィルソンの声の衰えやコーラスの物足りなさ、(デモや各アルバムに発表されたスマイル収録曲の断片で聴かれる)時に効果的だったホルンが使われていない等々の不満よりも、一番納得のいかなかったことはステレオ録音だったことだ。妙に各楽器が分離が良くてLRに分けられているのを聴くとどうにも満足がいかなかった。

 ペット・サウンズ発売当時、発売元のCapitolが時代にそぐわないというだけの理由で疑似ステレオで発売したような愚かさを、今回の5.1チャンネルでの発売に感じる。

 でも一緒に発売される(2枚組みで)最初のモノラル・レコーディングの音源もリマスターなんだよなー。どうしようかなー。

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