姜泰煥×田中泯×大友良英@京都大本山妙蓮寺

 妙蓮寺の中庭でのライヴ。なかなか貴重なロケーションでのライヴだった。


 やはり姜さんのサックスは共演とソロではかなり違う、ということ、田中泯さんがすぐれたインプロヴァイザーであること、そう思った。そして悲しいことに舞踏に全く感動を覚えない自分を再認識した。

 姜さんの演奏はソロと共演の時とでは違う、当然といえば当然なのだけど、何度か聴いて、共演の時はいつも一歩引いているような印象があったのだ。どうしてかな、やっぱり儒教の国の人だからだろうか?

 もちろんどちらもおもしろいのだけど。

 大抵の踊りの人たちは音楽を「伴奏」としか考えない。だから音楽に体の動きを合わそうとするし、その合わそうとする動きと音との微妙なタイム・ラグがとてもうざったい。

  インプロヴァイザーと共演したがる踊り手は数多くいるが、あくまで伴奏として考えている人ばかりで「共演」するという意味をちゃんと考えているのかいつも疑問に思っていた。

 田中泯さんと即興演奏者との共演は遙か昔、ミルフォード・グレイブスの時にも見ているし、見ることはかなわなかったがDVDにもなっているデレク・ベイリーとの共演だって有名だ。

 田中泯さんはおそらく音楽と「共演」する意味をしっかりととらえている数少ない踊り手ではないかと思う。

 無理に合わせなくても音は聴こえているし、音を出している方だって合わせなくても見えている。たとえ見えてなくっても空気の動きは伝わる。

 それを何故無理に合わせようとするのか、そういったじりじりした不満はさすがに田中泯さんの踊りにはない。

 その証拠に泯さんが登場しないときはデュオだったし、登場すればトリオだった。音が。

 体の動きだってすごいと思うし、上記のような意味でもすごい踊り手であるのは間違いがないのだけど、やはり踊りは人の体で行われることだし、人の体の限界、重力の限界をいつも感じて悲しいことに感動できないのだ。

 どうもダンスを感じる目が無いようです。すみません。

“姜泰煥×田中泯×大友良英@京都大本山妙蓮寺” への4件の返信

  1. >インプロヴァイザーと共演したがる踊り手は数多くいるが、あくまで伴奏として考えている人ばかりで「共演」するという意味をちゃんと考えているのかいつも疑問に思っていた。

    我が意を得たり!と思いました。
    以前、音楽とパフォーマンスが一緒のステージで行われるイベントに参加した際、ギターを演奏していたら、踊りだかパフォーマンスの人に後ろからいきなりタオルで目隠しをされたことがありました。その上、身体をなで回したりして、オブジェ扱いされたように記憶しています。その人はステージの前後で音楽家への嫌悪を表していましたので、多分悪意なんだろうとそのとき、感じました。

    知り合いの某ロック・ミュージシャンも舞踏とコラボしたときに、同じような嫌な思いをした経験があるそうです。

    こっち、音楽家の方は何も思っていないにのに、先方はなんだか妙に攻撃的に突っかかってくる。なんなでしょうかね、あれは。

    光束夜の金子さんは舞踏とコラボしたときも、何が起きても我関せずでギターを弾き続けていましたが、あの境地にいたるもの凡人にはできかねるわけで、どうしたものか、と。

    多分唯一の例外が室野井洋子さんだと思います。彼女の踊りは高橋さんの音と確かに共鳴しているのを感じますし、何より「また、次を見たい!」と感じさせてくれます。やっぱ彼女は元ミュージシャンだからなのかなあ。山海塾の岩下さんもそういえば、元スティグマだし。

  2.  どうも一日遅れのレスですみません。

     今まで見た中での話ですが、踊り、特に舞踏の人は自意識が強い人が多いように思えます。

     音に反応しようとするときでも「どうだ!俺はこんなに早く的確に反応しているぞ」といったような見栄を感じるときもあるし。

     聴いている方はオンタイムで聴いているのだから、いくら早く反応しようが体と耳ではある程度のタイム・ラグはどうしても生じるわけで、その度に自分が聴いた音の再確認をゼロ・コンマ何秒毎にやらされているような感じが「うざったい」のでした。

     逆説的にそれを利用するようなダンサーもいてもいいのに、といつも思います。

     室野井洋子さんはまだ見たことがありません。そうかそれなら今度是非見に行きます。

     山海塾の岩下さんが元スティグマって!初耳でした。

  3. 亀レスですいません。

    >山海塾の岩下さんが元スティグマって!初耳でした。

    実は相方の長久保の大学の先輩で、それで知り合いました。まだ、スティグマ存命時、山海塾参加前でした。で、あの不幸な事故のあと、「山海塾に参加することになっちゃった。」と聞いて、ビックリ、という次第です。
    ヴォーカルの浅野さんもマネジメント関係で山海塾と関わりがあったようです。
    岩下さんの踊りも1度だけ見ましたが、好きです。アングラ特有の自意識過剰から解放されていたと感じました。「放下」というタイトルに相応しい内容でした。
    個人的には岩下さんのヘヴィでファンキーなファズ・チョッパー・ベースが好きで、踊りに専念すると聞いたときはちょっと残念に思いました。

  4. そうですか。しかし音楽から舞踏に進むというのはおもしろいですよね。

    逆なら分かる気がするんですが。

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