前作前々作の「want」1.2がこう言っっちゃなんだけどいかにもゲイの人らしく、コッテコテのバックで、まぁ良いアルバムだったが、ラードで作ったプールにオリーブ・オイルを満たして中で天下一品のラーメンを食べてるような、一回聴いたらもうおなかいっぱいだった。でもこの新作はちょっと軽めでしかも明るめなんで聴きやすい。
しかしルーファス・ウェインライトほどねちっこい声の人はジョン・レノン以来ではないかとも思うくらい相変わらず粘っこい。
また初期に戻って軽めのバックか弾き語りだけで新作作ってほしいけどなー。曲もいいし唄もいいのにこのしつこさだけはどうしようもない。
と、思ったのもレナード・コーエンの曲をいろんな人がカバーする映画「I’m your man」のサントラでルーファスが歌ってる「チェルシー・ホテルNo.2」がとても素晴らしいからだ。
シンプルなバックで曲の良さを十二分にいかしたこれもシンプルな歌い方で、こっちの方向の方が合ってるのにと思ってしまう。
このサントラ、妹のマーサや母親のケイト&アンナ・マクガリゲル、それにベス・オートンやニック・ケイヴやリチャード・トンプソンの息子テディなんかもいる。
よく見かける取り合わせだなとおもうとプロデューサーにまたハル・ウィルナーの名前が。
どこにでもいる奴っちゃな、ゴキブリみたい。
このサントラ、最後、レナード・コーエンがU2と一緒に歌う「tower of song」で終わる。
レナード・コーエンのつぶやきみたいな唄が、ボノの技巧の果てみたいな唄も含めたその他の出演者全てを吹っ飛ばしてしまった。
別に歌ってると言うよりぼそぼそしゃべってるだけみたいなものなのにすごい存在感と重さ。
人間の声ってすごいと改めて思うし、声の魅力をちゃんと自分で知ってコントロールするやり方をちゃんとわかって唄ってる人は実はそうないかもしれないとも思ったくらい。



